CLDR (Common Locale Data Repository) とは
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🌸 をスクリーンリーダーが「桜」と読み上げる。その日本語訳の出所が CLDR です。Unicode Consortium が運営する多言語ロケールデータの共通リポジトリで、絵文字の名前、日付フォーマット、数値表記、通貨記号など、 言語と地域に依存する情報の共通データを提供しています。一般ユーザーの目には見えませんが、 OS、ブラウザ、ライブラリの裏側で広く使われているインフラです。
定義
CLDR (Common Locale Data Repository) は、Unicode Consortium が提供する多言語ローカルデータの公式リポジトリです。 各言語・地域での日付・時刻・数値・通貨・単位の表記、文字列のソート順、人名・地名の翻訳、絵文字の名前とキーワードを、 XML ベースのフォーマットで網羅しています。ロケール (言語と地域の組み合わせ) 単位でデータを持ち、2026 年 9 月時点で 100 を超える言語に対応し、リリースごとに追加されています。
CLDR が提供する情報
| カテゴリ | 例 |
|---|---|
| 日付・時刻 | 「2026 年 5 月 27 日」「May 27, 2026」「27/05/2026」 |
| 数値 | 「1,234.56」(米国)、「1.234,56」(ドイツ)、「1 234,56」(フランス) |
| 通貨 | 「¥1,000」「$1,000.00」「1.000,00 €」 |
| 言語・地域名 | 「日本語」「Japanese」「日本」「Japan」 |
| 絵文字名 | 🌸 → 「桜」(ja) / "cherry blossom" (en) |
| 絵文字キーワード | 🌸 → 「桜, 春, 花」(ja) / "cherry, flower, spring" (en) |
絵文字との関係
絵文字の名前 (CLDR Short Names)
CLDR に収録された絵文字には、CLDR が定義する短い名前があります。スクリーンリーダーが絵文字を読み上げるとき、 OS の絵文字ピッカーで検索するとき、検索エンジンが絵文字をインデックスするときの基準データになります。 各言語版が独立して管理されており、英語の「cherry blossom」と日本語の「桜」がそれぞれ正規の名前です。
絵文字の検索キーワード
CLDR Annotations では、絵文字 1 つに対して複数のキーワードを定義しています。 🌸 の英語キーワードは cherry, blossom, flower, spring など。 ユーザーが OS の絵文字ピッカーで「flower」と入力すると、🌸 や 🌹 や 🌷 がすべてヒットするのはこのデータによる仕組みです。
ピッカーのカテゴリ分類
絵文字ピッカーで「Smileys & Emotion」「Animals & Nature」のようなカテゴリに分類されるのも、CLDR のグループ分けが土台です。
使われている場所
- OS: macOS、iOS、Windows、Android、ChromeOS が CLDR データを内蔵
- プログラミング言語: ICU (International Components for Unicode) ライブラリ経由で多数の言語が利用
- ブラウザ:
IntlAPI の各種フォーマット (Intl.DateTimeFormat, Intl.NumberFormat, Intl.RelativeTimeFormat) が依拠 - スクリーンリーダー: VoiceOver, TalkBack, NVDA などが絵文字読み上げに利用
- OS の絵文字ピッカー: 検索キーワードとして CLDR Annotations を読み込む
更新サイクル
CLDR は年 2 回のリリースサイクルで更新されます。 Unicode の新規絵文字追加、新しい地域コード、用語の改善、誤訳の修正などが反映されます。 日本語の翻訳も毎回見直されており、絵文字の追加に合わせて自然な日本語訳が追加されます。
誰が翻訳しているのか
CLDR の翻訳は、言語ごとに登録した個人の協力者と、企業・政府・機関などが組織単位で参加する形で作成されています。 訳語はその言語の話者や言語の専門家による査読 (vetting) を経て採用され、Unicode の会員組織による検証も加わります。 リソースの少ない言語では、 訳が入っていないフィールドが残っている場合があります。
実務での扱い方
- 多言語サイトの開発: 自前で翻訳テーブルを作る前に CLDR を当たる。日付・通貨フォーマットは特に
- JavaScript の Intl API: ブラウザネイティブなので追加ライブラリ不要で多くのフォーマットが扱える
- 絵文字検索 UI: ピッカーやサジェストを実装するなら CLDR Annotations を直接使うか、ラッパライブラリを使う
- アクセシビリティ: 絵文字を含むコンテンツを書くとき、CLDR 名で読み上げられることを意識する
よくある誤解
- ❌ 「CLDR は Unicode 規格の一部」→ ✅ 関連プロジェクトだが、Unicode コア規格とは別の成果物
- ❌ 「絵文字の名前は世界共通」→ ✅ 各言語版が独立、訳が違うのが普通
- ❌ 「翻訳は機械生成」→ ✅ 各言語の話者や専門家の査読を経て採用される
関連用語
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