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CLDR (Common Locale Data Repository) とは

最終更新: 2026-05-20·約 4 分

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🌸 をスクリーンリーダーが「桜」と読み上げる。その日本語訳の出所が CLDR です。Unicode Consortium が運営する世界最大の多言語ローカルデータベースで、絵文字の名前、日付フォーマット、数値表記、通貨記号など、 言語と地域に依存するあらゆる情報の事実上の標準を提供しています。一般ユーザーの目には見えませんが、 OS、ブラウザ、ライブラリの裏側で広く使われているインフラです。

定義

CLDR (Common Locale Data Repository) は、Unicode Consortium が提供する多言語ローカルデータの公式リポジトリです。 各言語・地域での日付・時刻・数値・通貨・単位の表記、文字列のソート順、人名・地名の翻訳、絵文字の名前とキーワードを、 XML ベースのフォーマットで網羅しています。世界 700 以上のロケール (言語と地域の組み合わせ) をカバーしています。

CLDR が提供する情報

カテゴリ
日付・時刻「2026 年 5 月 27 日」「May 27, 2026」「27/05/2026」
数値「1,234.56」(米国)、「1.234,56」(ドイツ)、「1 234,56」(フランス)
通貨「¥1,000」「$1,000.00」「1.000,00 €」
言語・地域名「日本語」「Japanese」「日本」「Japan」
絵文字名🌸 → 「桜」(ja) / "cherry blossom" (en)
絵文字キーワード🌸 → 「桜, 春, 花」(ja) / "cherry, flower, spring" (en)

絵文字との関係

絵文字の名前 (CLDR Short Names)

全絵文字には CLDR が定義する短い名前があります。スクリーンリーダーが絵文字を読み上げるとき、 OS の絵文字ピッカーで検索するとき、検索エンジンが絵文字をインデックスするときの基準データになります。 各言語版が独立して管理されており、英語の「cherry blossom」と日本語の「桜」がそれぞれ正規の名前です。

絵文字の検索キーワード

CLDR Annotations では、絵文字 1 つに対して複数のキーワードを定義しています。 🌸 の英語キーワードは cherry, blossom, flower, spring など。 ユーザーが OS の絵文字ピッカーで「flower」と入力すると、🌸 や 🌹 や 🌷 がすべてヒットするのはこのデータによる仕組みです。

ピッカーのカテゴリ分類

絵文字ピッカーで「Smileys & Emotion」「Animals & Nature」のようなカテゴリに分類されるのも、CLDR のグループ分けが土台です。

使われている場所

  • OS: macOS、iOS、Windows、Android、ChromeOS が CLDR データを内蔵
  • プログラミング言語: ICU (International Components for Unicode) ライブラリ経由で多数の言語が利用
  • ブラウザ: Intl API の各種フォーマット (Intl.DateTimeFormat, Intl.NumberFormat, Intl.RelativeTimeFormat) が依拠
  • スクリーンリーダー: VoiceOver, TalkBack, NVDA, JAWS が絵文字読み上げに利用
  • OS の絵文字ピッカー: 検索キーワードとして CLDR Annotations を読み込む

更新サイクル

CLDR は年に 2 回 (春と秋) のリリースサイクルで更新されます。 Unicode の新規絵文字追加、新しい地域コード、用語の改善、誤訳の修正などが反映されます。 日本語の翻訳も毎回見直されており、絵文字の追加に合わせて自然な日本語訳が追加されます。

誰が翻訳しているのか

CLDR の翻訳は、Unicode の登録ボランティアと、一部の有償の言語専門家が共同で作成しています。 Apple、Google、Microsoft、IBM などの企業のローカリゼーションチームが寄稿者となっており、 商用品質の翻訳が提供されている言語が多いです。日本語、英語、中国語、ドイツ語、フランス語などの主要言語は、 単純な機械翻訳ではなく専門家の手による訳が並んでいます。一方、リソースの少ない言語では、 まだ機械翻訳的な訳や空のフィールドが残っている場合があります。

実務での扱い方

  • 多言語サイトの開発: 自前で翻訳テーブルを作る前に CLDR を当たる。日付・通貨フォーマットは特に
  • JavaScript の Intl API: ブラウザネイティブなので追加ライブラリ不要で多くのフォーマットが扱える
  • 絵文字検索 UI: ピッカーやサジェストを実装するなら CLDR Annotations を直接使うか、ラッパライブラリを使う
  • アクセシビリティ: 絵文字を含むコンテンツを書くとき、CLDR 名で読み上げられることを意識する

よくある誤解

  • ❌ 「CLDR は Unicode 規格の一部」→ ✅ 関連プロジェクトだが、Unicode コア規格とは別の成果物
  • ❌ 「絵文字の名前は世界共通」→ ✅ 各言語版が独立、訳が違うのが普通
  • ❌ 「翻訳は機械生成」→ ✅ 主要言語は専門家による翻訳

関連用語

  • Unicode - CLDR の親プロジェクト
  • 絵文字 - CLDR が名前とキーワードを定義する対象

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